2026-08-11 HACK WIKI

HUAWEI Eyewear 2の音漏れ — 電車と静かな職場で隣に聞かせない境界

HUAWEI Eyewear 2 の機種Wiki

HUAWEI Eyewear 2の音漏れ — 電車と静かな職場で隣に聞かせない境界のカバー画像

HUAWEI Eyewear 2を掛ければ、耳を塞がずに駅の放送や人の声を残しながら音声を聴ける。だが、満員電車で隣の人に聞かれず、騒音にも負けない音量を同時に作れるとは限らない。音漏れ防止設計は、無音漏れを保証する機能ではない。

当サイトはHUAWEI Eyewear 2の実機を保有していない。ここではメーカー仕様、製品を購入して数カ月使ったレビュー、先行機を含む比較試聴、利用者が隣席との距離まで書いた記録を突き合わせた。音量の数字は端末、音源、装着位置で変わるため、万人共通の安全値にはしない。

できるのか — 周囲音を残す「ながら聴き」はできる。密集した静かな場所では小音量が前提だ

できる。ただし、電車内をイヤホンの代わりにする機械ではない。

HUAWEI Eyewear 2は、テンプル内のスピーカーから耳へ音を出すオープン型のオーディオグラスだ。カメラもディスプレイもない。耳穴を塞がないため、駅の案内、車の接近、同僚の呼びかけを音声コンテンツと同時に拾える。

メーカーは、上下対称のスピーカーで耳の方向へ音を出し、遠方への音を打ち消す「音漏れ防止設計」を掲げる。静かな場所では通話音量を自動で下げる機能もある。ただし公式ページ自身が、通話音量や環境ノイズによって効果が変わると注記している。設計の目的は漏れを減らすことで、消すことではない。

実使用の声はここをはっきり分ける。製品を自費購入したImpress Watchの長期レビューでは、音量を上げると外へ聞こえ、電車内や人が近い場所には向かないと判断している。一方で、電車内でも音量をかなり下げれば動画の音を足せるという。散歩や自宅、Web会議では、イヤホンを出し入れせず音声へ触れられることを利点に挙げた。

価格.comの利用者レビューは、静かなオフィスで隣席まで30〜40cm、iPhone 15 Pro Maxを使った条件を書いている。投稿者の環境では音量3まで隣席に聞こえず、4で微かな音漏れ、半分程度では大きく漏れたという。別の投稿者は最低音量でも内容が分かるほど漏れたと報告している。相反している。だからこそ、「音量3なら安全」と数字だけ借りるのは危険だ。

僕の判断は単純だ。静かな車内やオフィスで他人に内容を聞かれたくない用途は、買った直後に自分のフレーム、スマホ、耳の位置で漏れを測れる人向けである。音楽を十分な音圧で聴きたいなら、周囲音とプライバシーのどちらかが先に崩れる。

どう確かめるか — 「自分に聞こえる」ではなく、隣席側から境界を作る

1. 使う端末と音源を固定する

検証は普段使うスマートフォン、普段聴くアプリ、実際のフレームで行う。音量段数は端末ごとに違う。ポッドキャストの会話、ボーカル入りの曲、通知読み上げでは、同じ音量表示でも外へ抜ける成分が違う。

まず静かな部屋で、音量を最小から一段ずつ上げる。HUAWEI AI Lifeの自動音量調整を使う場合はオン・オフを分けて記録する。公式仕様では自動調整の条件は通話音量レベル8以下で、環境ノイズによって効果が変わる。

2. 30〜40cmと1mで、別の人に内容を聞いてもらう

判定するのは装着者ではない。隣席を模した30〜40cmと、向かい側を模した1mに協力者を置き、音が鳴っていることだけでなく、単語や会話内容を識別できるかを確認する。

音量を上げながら、次の三つを別々に記録する。

境界 隣席側の判定 使い方
A 音の存在も分からない 静かな場所での基準候補
B シャカシャカ音は分かるが内容は分からない 周囲への不快感が残る。短時間に限る
C 単語や曲が識別できる 会議・個人情報・公共交通では使わない

これは当サイトの判定手順であり、メーカー保証ではない。当サイトでも実機再現は未検証だ。装着位置がずれれば同じ音量でも境界は動くため、眼鏡店でレンズや鼻パッドを調整した後にもやり直す。

3. 駅の放送を聞ける最大音量と、漏れない最大音量を比べる

次に屋外や駅に近い騒音環境で、重要な放送や会話が聞き取れるかを確かめる。ただし他人の近くで音漏れ試験をしない。先に室内で決めたAの音量を上限にし、その範囲で音声コンテンツと周囲音の両方が聞こえるかを見る。

成立しなければ故障ではない。オープン型の構造上、外の騒音を消さずに自分の音だけを強くするほど、外へも届きやすくなる。初代を日常使用し、Eyewear 2の貸与先行機と比較したAV Watchのレビューでは、Eyewear 2は初代より低域が増した一方、人の声を押し出す中高域の傾向は変わらないと評価した。声中心のラジオやポッドキャストに合うという利用判断は、主に筆者の初代での長期体験に基づく。

一日掛けられるか — 電池は強い。重さとテンプルの当たりは試着でしか決まらない

公式仕様では音楽再生最大11時間、通話最大9時間、約10分の充電で最大3時間再生、満充電は約50分だ。最大値はAAC音源を音量60%で再生したメーカー試験で、実使用時間ではない。Bluetooth 5.3、2台のマルチポイント、装着検知、IP54防塵防滴に対応する。

重量はブラックがクリアレンズ込み約37.8g、チタニウムシルバーが約39.2g。普通の軽量眼鏡よりは重い。価格.comの利用者には2〜3時間で耳の上が痛くなった人がいる一方、クッション追加で8時間まで延ばせたという記録もある。頭幅、耳の高さ、度付きレンズで結果は変わる。

2023年11月24日の発売時、市場想定価格はブラック37,800円、チタニウムシルバー47,800円だった。2026年8月11日時点でも日本語の製品・仕様ページは公開されているが、現行の販売価格と在庫は当サイトでは確認していない。発表時価格を今の実売価格として使わない。

買う前の判定表

欲しいこと 判断
駅の放送を残してポッドキャストを聴きたい 相性がよい。声中心の音源を小音量で使えるか試す
満員電車で音楽を十分な音量で聴きたい 向かない。騒音に勝つ音量と音漏れ防止が衝突する
静かな会議室で機密通話をしたい 漏れをゼロとは断定できない。内容識別テストを先に行う
朝から夕方まで眼鏡一本で通話したい 公称電池は届く。重さと耳の当たりは試着が必要
映像や通知を視界へ出したい できない。カメラもディスプレイもない

HUAWEI Eyewear 2の価値は、イヤホンを眼鏡へ置き換えることではない。耳を空けたまま、声を生活へ薄く重ねることにある。音漏れ防止という名前から無音を期待すると外す。隣席側から自分の境界を作り、その小さな音量で足りる人には、毎日掛ける道具として筋が通っている。