INMO GO 3のオフライン翻訳 — 9言語字幕とSpeaker双方向音声の境界

INMO GO 3は、日本語を含む9言語ならインターネットなしで翻訳できる。だが、グラスだけで相手と双方向の音声会話まで完結するわけではない。 オフラインでもスマートフォンとのBluetooth接続が必要で、自分の返答を相手へ渡すには、音声なら別売りのINMO Speaker、訳文ならスマートフォン画面を使う。
この境界は購入ページの機能名だけでは見落としやすい。ここでは日本公式の接続条件、グローバル公式の翻訳仕様、すでに届いた実機を使った日本語レビュー、Kickstarter版利用者がSpeaker接続で詰まった記録を突き合わせる。当サイトは実機を保有しておらず、音声認識精度とオフライン時のSpeaker動作は未検証だ。
できるのか — オフライン字幕はできる。グラス単独ではない
できる。対応する9言語と、Bluetooth接続したスマートフォンがそろえばよい。
INMO日本公式の商品ページが挙げるオフライン言語は、日本語、英語、中国語、韓国語、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ロシア語、タイ語。相手の発話を翻訳し、両眼のグリーンMicroLEDへ字幕として出す。通信が不安定な展示会場や海外の売り場でも、翻訳処理のためのインターネット回線を外せる。
ただし、スマートフォンは外せない。日本公式は、オフライン翻訳でもINMO GO 3とスマートフォンをBluetoothでつなぐと明記している。基本機能は専用アプリと接続したスマートフォンが前提で、単独利用できると明記された例外は事前に原稿を取り込んだテレプロンプターだ。
「オフライン」を「スマホ不要」と読むと外す。ここで外れるのはクラウド通信であって、母艦との接続ではない。
オンライン時の対応数にも二つの数字がある。日本公式は入力として理解する言語を77、翻訳出力を98と分ける。グローバル公式は入力78、出力98と掲げており、一致していない。2026年8月13日時点で日本国内向けに買うなら、日本公式の77入力/98出力を基準にする。98言語すべてを双方向に同条件で扱える、とは数えない。
どう組むのか — 見る、見せる、聞かせるを三つに分ける
外国語を話す相手と向き合う場面では、返答の届け方を先に決める。INMO GO 3は三つの構成を公式に案内している。
- GO 3 1台+スマートフォン:相手の言葉はグラス内の翻訳字幕で受け取り、自分の返答はスマートフォン画面に訳文を出して見せる。
- GO 3 1台+INMO Speaker+スマートフォン:相手の言葉はグラス内の翻訳字幕で受け取り、自分の返答はSpeakerから翻訳音声で届ける。
- GO 3を双方が装着:それぞれが相手の言葉を自分の視界の翻訳字幕で受け取る。
本体にもスピーカーは2基ある。しかし日本公式は、本体スピーカーを通話、ナビ音声、INMO AIの返答、通知読み上げ用と説明し、会話相手へ翻訳音声を届ける機器は別売INMO Speakerと分けている。本体スピーカーの存在を、そのまま対面翻訳の外向き音声に数えない。
買う前に通したい最小構成は次の通りだ。
- 自分のスマートフォンがAndroid 11以降かiOS 17以降であることを確認する。
- オフラインで使う2言語が9言語の組に入るか確認する。
- 字幕を見るだけならGO 3とスマートフォン、相手へ音声で返すならINMO Speakerまで用意する。
- 出発前に機内モード相当の通信遮断下で、短い定型文を両方向に通す。Bluetoothは残す。
- 固有名詞、数字、住所をそれぞれ一つ試し、聞き間違いを目視で直せる運用にする。
4と5は当サイトの再現テスト案で、メーカー手順ではない。安全、医療、契約、金額の確定を機械翻訳だけへ任せない。表示できることと、意味が正しいことは別である。
使い心地はどうか — ハードは有望、翻訳の詰まりはアプリ側に残る
日本公式の仕様は、両眼640×480、視野角30度、最大1,500ニト、8MPカメラ、4マイク、2スピーカー、58g。交換式270mAhバッテリーを標準で2個持ち、会話翻訳など高負荷時は1個あたり約2.5〜3時間としている。長い展示会なら、翻訳精度だけでなく交換の瞬間をどこへ置くかまで運用になる。
Kickstarter版を受け取ったQumowillの実機レビューでは、Rokidと比べて表示が明るく映り込みが少なく、装着時の違和感も少ないと感じた一方、YouTube英語ニュースの翻訳はRokidより音声認識が低い印象だった。母艦アプリにも癖があるとする。数時間の観察であり、オフライン9言語やSpeakerは未検証だが、表示の良さだけで翻訳全体の完成度を決められない材料になる。
Speakerにも実装上の段差がある。RedditのINMO利用者は、グラスやアプリの「デバイス追加」にSpeakerが見当たらず、対話翻訳も探せないと報告した。別の利用者は、市販の安価なBluetoothスピーカーをスマートフォンへつなぎ、対話翻訳画面で表示された出力先「INMO speaker」を選ぶと音声が出たと報告している。専用品INMO Speakerを試した記録ではない。
これは公式マニュアルではなく、二人の利用記録だ。OSやアプリ版で画面は変わりうる。ただ、「Speakerをグラスへ直接ペアリングする」という思い込みでは入口を見失う可能性を示す。初期設定ではスマートフォンのBluetooth音声出力と、対話翻訳画面の出力先を別々に確認したい。
僕ならこう選ぶ
| 欲しいこと | 判断 |
|---|---|
| 圏外で相手の発話を日本語字幕にしたい | 9言語内なら候補。スマートフォンとのBluetooth接続は必要 |
| 圏外で自分の返答を相手へ音声で伝えたい | INMO Speakerを含む構成で購入前に再現確認する。オフライン時の音声返却は当サイト未検証 |
| グラス1台だけで翻訳会話を完結したい | 公式条件と合わない。スマートフォンを外さない |
| 98言語すべてをオフラインで使いたい | できない。オフラインは9言語 |
| 展示会を一日回りたい | 予備バッテリーとケースは強い。高負荷2.5〜3時間単位で交換計画を作る |
僕が欲しいのは、翻訳機能の数ではない。海外の部品商と目を合わせたまま、相手の言葉を読み、自分の返答をどの出口から渡すか迷わない道具だ。INMO GO 3は字幕までを眼鏡へ引き上げた。そこから先は、スマートフォンとSpeakerを含む一つのシステムである。オフライン、スマホ不要、双方向音声。この三つを同じ意味にしないことが、99,800円を使える道具へ変える最初の設定だ。
SOURCES — この記事が参照した独立情報源
- INMO GO 3|INMO JAPAN(参照 2026-08-13)
- INMO GO3|INMO Global(参照 2026-08-13)
- INMO GO3、2026年7月30日発売|イノモ日本(参照 2026-08-13)
- AIスマートグラス「INMO GO3」が来た|Qumowill(参照 2026-08-13)
- Anyone managed to pair the speaker to Go3?|Reddit r/inmoxr(参照 2026-08-13)